Tudesday, 13 September, 2006
CMで泣いたことってありますか。
自分は、過去1度だけCMを見て泣いたことがあります。
とある会社の社員食堂。窓際でひとり昼食をとる女性社員。
そして、彼女のことが気になる男性社員。
彼の同僚は口を揃えて「彼女はやめておけ」と忠告をする。
なぜなら彼女は耳が聞こえないから。
会社帰りに本屋に立ち寄り、手話の本を手にする男性。
翌日の昼、彼女のまえに立ち、手話で尋ねる。「となりの席いいですか?」と。
かくして、二人の交際が始まり、楽しい日々は瞬く間に過ぎてゆく。
季節は流れ、ある寒い冬。手話ではげしく言い合うふたり。
しかし、彼は口にしてしまう。「もう、いいよ」と。
唇を読む彼女。ふたりの仲は終わりなんだと、故郷に帰ろうと心に決めてしまう。
居酒屋にて同僚たちに励まされる彼。そこにメールが届く。
「最後のメールなのに、言葉がみつからないよ・・・」
店を飛び出す彼。驚きながらも、冷やかしながらも笑顔で見送る同僚。
駅のホーム。電車を待つ彼女。
走りつづける彼。まだ駅にはつかない。
そこに届いた一通のメール。そこには「となりの席いいですか」と二人の出会い時の言葉が。
こみ上げる涙をこらえる彼女。そして息を切らし階段を駆け上がったばかりの彼。
彼女をみつけ、彼は駆け出す・・・。 au by KDDI
といったたかだか15秒、長いバージョンでも30秒という限られた時間の中で、
よくこういった作品を作ったなと感心したものです。
以前、KDDIのホームページに、CMのメイキング風景が紹介されていて、
役者もスタッフも、現場で涙を誘われるほどに気持ちのこもった作品とありました。
製作に携わった人たちの思いがあったればこそ、見る側に訴えるものがあった気がします。
言葉というは「思い(こころ)」を響かせて言葉を成すというように、
自分の中の「感動」を響かせてこそ、相手に思いは伝わるもの。
生きている中で、どれだけ強い思いをこころの中に宿していけるか。
それが人の魅力や深み、人間性につながっていくと思いますし、
真剣に生きていく中にこそ、その思いを宿し磨いていく術はあるのかもしれません。